植物紹介〜バナナ〜
いきなりですが、皆さんは樹上完熟という言葉を聞いたことがありますか?
現在一般流通している果物は棚持ち(店で陳列できる期間)を長くするため・輸送中に果実を傷ませないようにするためにわざと未熟なまま収穫して、貯蔵庫又は輸送途中・店頭で熟して販売しているんですね。
身近な例ではアボカドがあります。シールが貼られていて、「この色になったら食べ頃です」とか。
では、なぜ樹上完熟なのか?
それは、収穫後に果物が甘くなることはないから!です。
果物は単体になっても生きています。
「なにいってんだこいつ。未熟なパイナップルはすっぱくてまずいやろが!」
それは時間と共に酸味の成分が抜けていくからです。
生きていく上で必要な糖分を植物体・つまり果物が消費してしまうことで甘さが本来より抑えられてしまうんです。
樹上完熟なら、生きていく上での栄養は木からもらえます。
だから、樹上完熟では実の糖分が消費されることなく、その果物本来の高いポテンシャルを発揮できるんですね。
と、樹上完熟についての長い説明を終えたところでバナナの話に移ります。
私を熱帯果樹マニアに押し上げたきっかけを作ったバナナですが、元々は実のなる観葉植物位にしか思っておりませんでした。
でも育てているうちにスーパーなどで売られているバナナが気になって、バナナの流通について自分で調べてみたんですね。
すると、バナナについても未熟なまま収穫されているということがわかりました。スーパーに並んでいるバナナでも甘いけど、これがもっと甘かったらもっと美味しいんだろうな。
そう思ったら俄然やる気が出てきました。
本州の特殊でない家庭で育てられる熱帯バナナは、恐らく三尺バナナとドワーフモンキーバナナの2種です。
他の品種は超巨大になる為、冬場は室内に入れるなどの管理の都合上、家庭での栽培は難しいです。(外で冬を越せる耐寒性の高い品種もありますが、どのみち巨大になります)
この2種はよく子株を出し、丈夫で育てやすいです。
が、三尺バナナについては注意が必要です。
三尺=90cmで収穫までいける小型種という触れ込みなのですが、三尺というのは茎の話。鉢と葉を合わせると170cmの私の身長をオーバーしてきます。
俺より背の高い小型種ってなんやねんと思いながら三尺バナナの葉をかき分けつつ、今日も水やりをするのでした。