耐寒性の重要性
トロピカルフルーツを育てていく上で重要な項目。それが耐寒性。
元々熱帯の植物を温帯である日本で育てるのですから、熱帯の気候に近づけてやる必要があります。
しかし、年中20℃以上を植物の為にキープしてやれるかというとそうでもない方がほとんどだと思います。
そこで、植物によって何度まで下がっても耐えられるか。それが耐寒温度という事になります。
耐寒温度は単純に植物が死なないという温度なので、植物の為にはよくありません。
それとは別に植物が生育出来る生育温度帯というものがあります。
この温度帯が広ければ適応性が高く、丈夫な植物だと言えると思います。
よって、耐寒温度0℃・生育温度15〜30℃の植物なら0℃をキープし続けるのではなく、5℃〜10℃で様子を見てあげるのが良いと思います。
ちなみに愛知県南部にある築40年の私の家は最低気温3℃ほどでした。
冬場はほぼすべての熱帯果樹は生育をストップします。
苗が小さいうちは耐寒性も低く、成木が戸外越冬可能でも苗は枯死してしまうこともあります。
また経験則になりますが、風も重要なファクターになります。
冬の風は意外とダメージが大きく、耐寒温度内であっても強い風に吹かれた植物は枯れてしまうことがあります。
戸外越冬可能な熱帯果樹でも植物の事を考えるなら、環境変化の少ない軒下に取り込んだり、温度の上がりやすい東側に置いてあげるなどの配慮が必要になってきます。
現在、我々の目に触れるトロピカルフルーツの苗は耐寒性が高く、丈夫なものが多いです。
ドリアンやマンゴスチン、ランブータン等は話題性がありますし、一般の方々にも名前が知られていても中々国内で苗が流通しないのはひとえに耐寒性がないからでしょう。
それは、冬の間の管理がネックになるからです。
一般的には果樹を鉢に植えるという発想はなく、ましてやそれを家の中に入れるということも想定外のようです。
大きな温室があればいいのですが、憧れの一つですよね。我々個人の栽培家・愛好家では室内に取り込んだりするので手一杯ですよ。
でも、目の前の困難を乗り越えれば更に高みが見える気がして、ついつい見たこともない植物をポチってしまうのでした。