愛知で熱帯果樹

愛知で熱帯果樹を育てている人のブログです

実生と接木と取り木

皆様は植物を育てるときに種から育てますか?苗を買いますか?

どちらが良いということはありません。

種を購入して蒔けばたくさんの苗を得られますし、苗を購入すれば種まきの手間と選別を省くことができます。

でも、その種や苗は本当に美味しいのでしょうか?

植物栽培に詳しい方なら実生という言葉をご存知かと思います。

文字通り「実から生えた」ということで種から育てたものを指すのですが、この種が曲者なのです。

販売されている野菜や花の種は遺伝情報が確実に種に伝わるよう、専門の方によって交配されています。

だって紫大根を育てたら白かったなんてクレームものですよね。

ですが、購入した種から育てた果物や野菜の種をまいたところでまた美味しい果物や野菜が生るとは限らないのです。

これは遺伝情報の種への伝達が確立されていないために起こります。

それに美味しい実ができる種が連続してできたら、種屋さんも商売あがったりですからね。

トロピカルフルーツの苗は「果物を食べたから蒔いた苗」と「品種がしっかりした接ぎ木・取り木の苗」の2つに分けられます。

前者は実生苗で後者は接ぎ木苗・取り木苗と言われております。

実生苗は前述のとおり、可能性が未知数です。

しかし、接ぎ木苗・取り木苗は違います。

接木した・取木した親の遺伝子を100%受け継ぐ為、親と全く同じ実ができます。

また、トロピカルフルーツは樹勢が強い(木の成長速度が早い)ことが多く、接ぎ木をすることで抑えられたり、実がつくまでの年数を減らしたりできます。

実生苗よりも品種ものの苗が高価なことが多いのですが、接ぎ木や取り木の手間もありますが「血統」がしっかりしているので値段が張るんですね。

トロピカルフルーツは国内での流通が少ないこともあり、多くは実生苗が出回っております。

しかし、品種が確立されているものも多くあります。

不味い実生苗から出来た果物にあたると「何だこの果物!不味いなぁ」となるのですが、品種ものなら適正な判断が下せます。

どうか世の中にトロピカルフルーツの品種ものが多く出回るようにと祈るちゃこでした。